第1章 — 全てが変わった朝(2)
作 変身 · 2026-04-05
「ああ…」
その言葉は、疲労困憊の彼の思考から、重く漏れ出た。
「なんて人生を選んでしまったんだ。」
グレゴールは天井を見つめた。お馴染みの苛立ちが忍び寄る。以前よりも強く、鋭く。
「毎日毎日、場所から場所へと旅をする…」
それは決して止まらなかった。
新しい町。新しい列車。新しい顔ぶれ。
そして、そのどれもが意味を持たなかった。
「こんな風に商売をするのは…一箇所で働くよりもはるかに疲れる。」
少なくとも、その場合はルーティンがあっただろう。安定が。
しかし、これは違う。
決してこれは。
「絶え間ない移動…乗り換えの心配…まずい食事…不規則な食事…」
そして人々。
常に新しい人々。
常に一時的な関係。
「誰とも知り合うことができない。」
友情もない。
本当の会話もない。
何も長続きしない。
「もうどうにでもなれ。」
その考えは突然浮かび、彼はそれを止めなかった。
しばらくの間、彼はただそこに横たわり、呼吸をしていた。
その時—
痒み。
それは彼の腹部をゆっくりと這い上がった。
不快で、しつこい。
グレゴールはわずかに身をよじり、無理に上体を起こした—見るのに十分なだけ。
そこにあった。
小さな白い斑点。
何十個も。
それが何なのか、彼には分からなかった。
どう見てもおかしい。
彼は慎重に、ためらいながら、脚の一本でそれに触れようとした。
接触した瞬間—
激しい震えが彼を貫いた。
冷たい。
鋭い。
一瞬の出来事だった。
彼はすぐに脚を引っ込めた。
「…いやだ。」
あれには二度と触れたくなかった。
グレゴールは元の姿勢に戻った。
まだ仰向けだ。
まだ閉じ込められている。
「毎日早く起きるなんて…」
彼の思考は、より安全で慣れたものに戻った。
「馬鹿になるだけだ。」
その言葉は苦々しく感じられた。
「睡眠が足りないんだ。それが問題だ。」
他の行商人たちは楽をしている。
彼はそう確信していた。
「この目で見たんです」
毎朝、契約書を書き写すために下宿に戻るたびに――
彼らはまだそこにいた。
くつろいで座っていた。
朝食を食べていた。
リラックスしていた。
慌てていなかった。
「いいなあ……」
グレゴールは想像した。
彼らのようにそこに座って。
ゆっくりと時間を過ごして。
プレッシャーを無視して。
「もし僕がそうしてみたらどうだろう?」
その考えが浮かび上がり――ほんの一瞬、それが可能であるかのように感じられた。
「もし僕がただ座っていたら……彼らのように?」
しかし、答えはすぐに来た。
「その場でクビになるだろう」
ためらいなく。
警告もなく。
終わりだ。
それでも――
「……もしかしたら、それはそんなに悪いことではないのかもしれない」
その考えは心に残った。
今度はより強く。
ある一つのことがなければ。
「両親が……」
それがすべてを止めた。
グレゴールはゆっくりと息を吐いた。
「もし彼らのことを考えなくてよかったら……」
彼はとっくにそうしていただろう。
彼は上司のオフィスに歩いて行っていただろう――
彼の目を真っ直ぐに見つめ—
ずっと抑え込んでいたことを全て話す。
「自分の考えをそのまま伝えるだろう」
何もフィルターをかけずに。
何も偽らずに。
「全てを話すだろう」
全ての不満を。
全ての恨みを。
全ての真実を。
「彼は机から転げ落ちるだろう」
その想像に、彼は思わず笑いそうになった。
ほとんど。
しかし—
現実は違った。
上司は彼らの上に座っていた。
文字通り。
見下ろして。
見下したように話して。
いつも遠くから。
「そして、自分の声を聞いてもらうためには、彼のすぐ近くに立たなければならない…」
なぜなら、その男はほとんどまともに聞こえなかったからだ。
状況全体が不条理だった。
それでも—
グレゴールは真実を知っていた。
「まだ時間はある」
あと数年。
五年。
もしかしたら六年。
それだけで十分だった。
「両親の借金を返済するために」
それが終われば—
全てが変わるだろう。
「その時こそ、私はやるだろう」
ためらいはない。
振り返ることもない。
「辞めてやる」
しかし、まだだ。
今日ではない。
「まずは…起き上がらなければ」
現実は元に戻った。
「電車は5時に出る」
彼は首を向けた。
ゆっくりと。
整理ダンスの方へ。
時計はそこにあった。
静かに時を刻んでいる。
着実に。
容赦なく。
グレゴールはそれに集中した。
そして――
彼の全身が凍りついた。
「なんてことだ…」
もう6時半だった。
針は静かに進んでいた。
何事もないかのように。
止められないかのように。
7時に近づいている。
「どうしてそんなことがあり得るんだ?」
目覚ましは4時にセットされていたはずだ。
彼はそれが分かっていた。
いつもセットしていた。
いつもだ。
「鳴ったはずだ…」
鳴ったに違いない。
あの大きな、ガタガタという音――
家具を揺らすほどの音だ。
それを寝過ごすはずがない。
それなのに――
寝過ごしてしまった。
「…どうして?」
よく眠れていなかった。
それは確かだ。
しかし、もしかしたら――
そのせいで――
より深く眠ってしまったのかもしれない。
より重く。
無意識のうちに。
グレゴールは時計を見つめた。
「どうすればいいんだ…?」
次の電車は――
7時。
それが彼の唯一のチャンスだった。
「それに乗れば…」
まだ間に合うかもしれない。
しかし――
サンプルが。
まだ梱包されていなかった。
そして彼の体は――
準備ができていないと感じた。
全くできていない。
「たとえ間に合ったとしても…」
無意味だろう。
すでに手遅れだった。
事務助手は5時の電車が出発するのを見たはずだ。
彼はグレゴールがいないことに気づいただろう。
そして彼はそれを報告しただろう。
すぐに。
もちろんそうするだろう。
彼は上司の人間だった。
従順で。
意気地がなく。
そして全く理解力がない。
グレゴールは思考を固めた。
「病気だと報告したら…?」
その考えが浮かんだ。
弱々しく。
説得力がない。
彼はほとんどすぐにそれを却下した。
「いや。」
それは疑わしく見えるだろう。
あまりにも疑わしい。
5年間――
彼は一度も病気になったことがなかった。
一度もだ。
上司は信じないだろう。
一瞬たりとも。
彼は自らやって来るだろう。
会社の医者を連れて。
両親を非難するだろう。
怠け者の息子だと。
無責任だと。
そして医者は—
医者も同意するだろう。
彼らはいつもそうだった。
なぜなら彼らにとって—
「本当に病気な人間などいない」からだ。
ただやる気がないだけ。
ただ怠けているだけ。
しかし—
グレゴールは立ち止まった。
何かが辻褄が合わないからだ。
「…僕は本当に病気なのか?」
奇妙な重さ以外は—
疲労感以外は—
変身そのもの以外は—
彼は…と感じた。
大丈夫だと。
奇妙なほど大丈夫だと。
実際—
彼は空腹だった。
いつもより空腹だった。
グレゴールはそこに横たわり、天井を見つめていた。
すべてを理解しようとしていた。
決断しようとしていた。
しかし彼の体は動かなかった。
彼はまだ閉じ込められていた。
まだ身動きが取れなかった。
まだベッドから出られなかった。
そして時間—
は、刻々と過ぎていた。