太宰治
敗戦直後の日本。 進学にも未来にも行き場を失った青年・ひばりは、肺を病み、山の中の療養所「健康道場」へ送られる。 死を覚悟し、自分を“余計者”だと思っていた彼だったが、八月十五日、あの日の正午――世界が変わった瞬間に、自分の中でも何かが静かに変わり始める。 絶望の果てではなく、その先に残っていた小さな「希望」。 奇妙な療養所で出会う人々、どこか滑稽で温かな日常、そして少しずつほどけていく心。 『パンドラの匣』は、太宰治が描く、敗戦の時代を生きる若者の再生の物語。 重たい病と不安を抱えながらも、それでも人は、生きていく。 箱の底に残っていた最後の光―― それはきっと、誰の中にもある。
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