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七〜九 (1)

von 泉鏡花 · 2026-03-31

果てしない道のりを進む中、私は心を決めていた。もう後戻りはできない。かつての場所には、やはり足りない骸が横たわっている。恐れを抱きつつも、草むらを駆け抜けたが、後ろから迫る半分の影に耐えきれず、足がもつれて石につまずき、転んでしまった。その瞬間、膝を痛めてしまったようだ。

それからは、歩くのが少し難しくなったが、ここで倒れてしまったら、温気に蒸し殺されるだけだと思い、自分を奮い立たせて首を引き上げ、峠の方へと進んだ。

路傍の草いきれが恐ろしい。まるで大鳥の卵のようなものが足元にごろごろしている。さらに二里ほど、蛇のようにうねる坂を登り、山の懐に突き当たって岩を曲がり、木の根を避けながら進んだが、道があまりにも険しかったので、参謀本部の地図を広げてみた。

やはり道は変わらない。聞いた通り、見た通り、旧道に間違いはない。心配しても意味がない。地図にはただ栗の毬の上に赤い線が引かれているだけだった。難儀さや蛇、毛虫、鳥の卵、草いきれなどは記されていない。すっかり畳んで懐にしまい、念仏を唱えながら立ち直ったが、息を引き取らぬうちに、情けない長虫が道を横切った。

そこで、もうどうしようもないと思った。これは山の霊の仕業だろうと考え、杖を捨てて膝を曲げ、じりじりとした地面に両手をついた。

「本当に申し訳ありませんが、通らせていただきます。なるべくお昼寝の邪魔にならないように静かに通りますので、どうかお許しください。」と、心から頼み、額を上げると、突然、凄まじい音が響いた。

心の中で大蛇のようなものだと思った。三尺、四尺、五尺四方、一丈余りの大きさで、草が動く様子が広がり、傍の渓へ一文字にさっと靡いていった。果ては峰も山も一斉に揺れ、恐怖に震えながら立ち尽くすと、涼しさが身に染みて、気が付くと山颪が吹いていた。

その時から聞こえ始めたのは、山彦に伝わる響きだった。まるで山の奥で風が渦巻き、そこから吹き起こる穴が開いているように感じられた。

何しろ山霊の感応があったのか、蛇は見えなくなり、暑さも和らいだので、気も勇み、足も軽くなった。しかし、ほどなくして急に風が冷たくなった理由が分かった。

目の前に大森林が現れたからだ。世の中の例えにも、天生峠は青空に雨が降ると言われ、人々の話にも神代から手を入れない森があると聞いていたが、今までの道には樹木が少なすぎた。

今度は蛇の代わりに蟹が歩きそうで、草鞋が冷たく感じた。しばらくすると暗くなり、杉や松、榎の木が見分けられるほどになり、遠くから幽かに日の光が差し込むところでは、土の色がすべて黒くなっていた。その中には光線が森を貫通するように、青や赤の美しい模様があった。

時折、爪先に絡まるのは、葉の雫が溜まった糸のような流れで、これは枝を打って高いところを走るものだ。時には常磐木が落葉し、何の木とも知れず、ばらばらと音を立て、かさかさと音がしてぱっと檜笠にかかることもあった。あるいは、通り過ぎた背後にこぼれることもあり、それらは枝から枝に溜まっていて、何十年ぶりに地上に落ちるのか分からなかった。

心細さは言うまでもなかったが、卑怯に思われるかもしれないが、修行の足りない身には、こうした暗い場所の方が、かえって心を落ち着けるのに都合が良かった。何しろ体が楽になったため、足の弱さも忘れ、道も大いに進んで、まずこれで七分は森を越えたと思ったその時、五六尺の高さの樹の枝から、ぼたりと何かが笠の上に落ちてきた。

まるで鉛の錘のような感触、何か木の実かと思い、二三度振ってみたが、くっついていてそのままでは取れなかった。無心に手を伸ばして掴むと、滑らかで冷たい感触がした。

見ると、海鼠を裂いたような目も口もない生き物だったが、動物には違いなかった。不気味で投げ出そうとすると、ずるずると滑り、指の先に吸い付いてぶらりと下がった。その放れた指の先から真っ赤な美しい血が滴り落ちたので、驚いて目の下に指をつけてじっと見ると、今折り曲げた肘のところに、同じ形をした、幅が五分、丈が三寸ほどの山海鼠がついていた。

呆気に取られているうちに、下の方から縮みながら、ぶくぶくと太っていくのは、生血をしっかり吸い込んでいるせいだった。濁った黒い滑らかな肌に茶褐色の縞を持った、疣胡瓜のような血を吸う動物、こいつは蛭だった。

誰が目にも見違えるものではないが、図抜けて大きいので、少しは気がつかなかった。どんな畑でも、どんな歴史のある沼でも、これほどの蛭がいるとは思えなかった。

肘を振り払ったが、よく食い込んでいるようで、なかなか離れそうにない。不気味ながら手でつかんで引き剥がすと、ぷつりと音を立ててようやく取れた。しばらくも耐えられず、突然取って大地に叩きつけると、これほどの奴らが何万も巣を作って、私のものにしているのだろうと思われた。日の当たらない森の中の土は柔らかく、潰れそうにはなかった。

ともかく、首のあたりがむずむずしてきた。手で触ってみると、横に蛭の背を滑らせるように感じた。ああ、乳の下にも一匹、帯の間にも一匹、蒼くなってそっと見ると、肩の上にも一筋。

思わず飛び上がり、全身を震わせながら、この大枝の下を一気に駆け抜け、走りながらまず心当たりの奴だけは夢中でもぎ取った。

何にしても恐ろしい今の枝には蛭が生えているのだろうと思い、あまりのことに振り返ると、見返った樹の何の枝か知らないが、やはり幾つも蛭の皮があった。

これはと思い、右も左も、前の枝も、何のことはない、まるで充満していた。

私は思わず恐怖の声を上げて叫んだ。すると、何と?この時、目に見えて、上からぼたりぼたりと真っ黒な痩せた筋の入った雨が体に降りかかってきたではないか。

草鞋を履いた足の甲にも落ち、さらに累り、並んだ傍にもまた付着して、爪先も分からなくなった。そうして生きていると思うだけで脈を打って血を吸うような、思いなしか一つ一つ伸縮するようなものを見ていると、気が遠くなってしまった。その時、不思議な考えが浮かんだ。

その恐ろしい山蛭は、神代の昔からここに住み着いていた。人々が訪れるのをじっと待ち続け、長い年月の間にどれほどの血を吸ったのだろうか。彼らの望みが叶うその時、山蛭たちは一斉に人間の血を吐き出す。すると、土が溶けて、山全体が血と泥に覆われた大沼に変わってしまうのだ。

その瞬間、日光は遮られ、昼間でありながらも暗闇に包まれる。まるで、そこに生えていた大木たちが一つ一つ山蛭になってしまったかのように。これは、まさに恐ろしい現実なのだ。