注文の多い料理店 (1) (1) (1)
von 宮沢賢治 · 2026-03-31
二人の若い紳士は、すっかりイギリスの兵隊の姿をして、光り輝く鉄砲を担ぎ、白熊のような犬を二匹連れて、山奥の木々がざわめく場所を歩いていました。
「この辺の山は本当に不気味だな。鳥も獣も一匹も見当たらない。何でもいいから、早く一発撃ってみたいもんだ。」
「鹿の黄色い横っ腹にでも、二、三発お見舞いしたら、きっと爽快だろうね。くるくる回って、どさっと倒れる姿を想像すると、たまらないよ。」
彼らがいるのは、かなりの山奥でした。案内してきた専門の猟師も、少し迷ってしまうほどの場所です。
その上、山の景色があまりにも壮大だったため、白熊のような犬たちが一緒にめまいを起こし、しばらく吠えた後、泡を吐いて息絶えてしまいました。
「本当に、これで二千四百円の損失だ。」と、一人の紳士が、犬のまぶたを少し開けて言いました。
「僕は二千八百円の損失だ。」と、もう一人が悔しそうに頭を垂れて言いました。
最初の紳士は、少し顔色を悪くしながら、もう一人の顔をじっと見つめて言いました。「僕はもう帰ろうと思う。」
「そうだね、ちょうど寒くなってきたし、お腹も空いてきたし、帰ろうと思うよ。」
「じゃあ、これで切り上げよう。帰りに、昨日の宿屋で山鳥を拾円で買って帰ればいいさ。」
「ウサギも出ていたね。そうすれば結局同じことだ。じゃあ、帰ろうじゃないか。」
ところが、どうにも困ったことに、どちらへ行けば戻れるのか全く見当がつかなくなっていました。
風が吹き荒れ、草がざわざわと揺れ、木の葉がかさかさと音を立て、木々がごとんごとんと鳴りました。
「お腹が空いたな。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。」
「僕もそうだ。もうあまり歩きたくないな。」
「歩きたくないよ。ああ、困ったな、何か食べたいな。」
「本当に食べたいもんだなあ。」
二人の紳士は、ざわざわと鳴るススキの中で、そんなことを話していました。
その時、ふと後ろを振り返ると、立派な西洋風の家が目に入りました。そして、その玄関には、