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十三〜十五

von 夏目漱石

私たちは群衆の中にいた。周りの人々は皆、嬉しそうな表情を浮かべていた。花や人々の姿が見えなくなるまで、森の中を通り抜ける間、同じ問題について話す機会はなかった。

「恋は罪悪ですか?」と、私は突然尋ねた。

「罪悪です。確かに」と、先生は以前と変わらぬ強い口調で答えた。

「なぜですか?」

「その理由は、いずれわかるでしょう。今すぐではなく、もうわかっているはずです。あなたの心は、ずっと前から恋に動かされているのですから。」

私は自分の胸の内を探ってみた。しかし、思ったよりも空虚で、特に何も感じなかった。

「私の胸の中には、これといった目的は何もありません。先生には何も隠していないつもりです。」

「目的がないからこそ動くのです。目的があれば落ち着けると思って動きたくなるのです。」

「今はそれほど動いてはいません。」

「あなたは物足りなさを感じ、私のところに動いてきたじゃありませんか。」

「それはそうかもしれませんが、それは恋とは違います。」

「それは恋に至る第一歩です。異性と抱き合うためのステップとして、まず同性の私のところに来たのです。」

「私には二つのものが全く異なる性質を持っているように思えます。」

「いや、同じです。私は男として、あなたに満足を与えられない人間です。それに、特別な事情があって、なおさらあなたに満足を与えられないのです。私は本当にお気の毒に思っています。あなたが私から他の場所へ動いていくのは仕方がない。むしろ、私はそれを望んでいます。しかし……」

私は不意に悲しさが込み上げてきた。

「私が先生から離れていくと思われるのは仕方がないかもしれませんが、私にはそんな気持ちはまだありません。」

先生は私の言葉に耳を貸さなかった。

「しかし、気をつけないといけません。恋は罪悪なのです。私のところでは満足が得られない代わりに、危険もないのですが、君、黒い長い髪を束ねた時の心持ちを知っていますか?」

私は想像で知っていたが、実際には知らなかった。いずれにしても、先生の言う「罪悪」という意味は曖昧で、よく理解できなかった。その上、少し不愉快になった。

「先生、罪悪の意味をもっとはっきり教えてください。それがわからない限り、この問題をここで終わらせてください。私自身が罪悪の意味を理解できるまで。」

「悪いことを言った。私はあなたに真実を話しているつもりだった。しかし実際には、あなたを心配していたのだ。私は悪いことをした。」

先生と私は博物館の裏から、静かな歩調で鶯渓の方へ向かって歩いていった。垣根の隙間から、広い庭の一部に茂る熊笹が幽玄に見えた。

「君は、なぜ毎月雑司ヶ谷の墓地に埋まっている友人の墓に参るのか知っていますか?」

先生のこの問いは全く突然だった。しかも、先生は私がこの問いに答えられないことをよく理解していた。私はしばらく返事をしなかった。すると、先生は初めて気づいたように言った。

「また悪いことを言った。焦っているのが悪いと思って説明しようとすると、その説明がまたあなたを焦らせる結果になる。どうしようもない。この問題はこれで終わりにしましょう。とにかく、恋は罪悪です。それでいいですか?そして神聖なものでもあります。」

私には先生の話がますます理解できなくなった。しかし、先生はそれ以降、恋については何も言わなかった。

若い私は、少し夢中になりやすかった。少なくとも、先生の目にはそう映っていたらしい。私には、学校の講義よりも先生の話の方が有益に思えた。教授の意見よりも、先生の思想の方がありがたかった。結局、教壇に立って私を指導してくれる偉い人々よりも、ただ一人で多くを語らない先生の方が、より偉大に見えたのだ。

「あまり逆上してはいけませんよ」と、先生が言った。

「冷静になった結果、そう思うのです」と答えた時、私は十分な自信を持っていた。しかし、その自信を先生は受け入れてくれなかった。

「あなたは熱に浮かされているのです。熱が冷めると、嫌になってしまいます。私は今のあなたからそう思われるのが苦しいです。しかし、これから先のあなたに起こるべき変化を考えると、さらに苦しくなります。」

「私はそれほど軽薄に思われているのですか?それほど信用されていないのですか?」

「私はあなたが気の毒です。」

「気の毒だが信用されないと言うのですか?」

先生は迷惑そうに庭の方を向いた。その庭には、先日まで重そうな赤い色をした椿の花が一つも見えなかった。先生は座敷からその椿の花をよく眺める癖があった。

「信用しないというのは、特にあなたを信用しないというわけではない。人間全体を信用しないのです。」

その時、生垣の向こうで金魚売りの声が聞こえた。それ以外には何も聞こえなかった。大通りから二丁も深く入った小道は意外に静かだった。家の中はいつも通りひっそりとしていた。私は次の間に奥さんがいることを知っていた。黙って針仕事をしている奥さんの耳に、私の話し声が聞こえることも知っていた。しかし、私はそれをすっかり忘れてしまった。

「じゃあ、奥さんも信用なさらないのですか?」と、私は先生に尋ねた。

先生は少し不安な顔をした。そして、直接の答えを避けた。

「私は自分自身さえ信用していないのです。つまり、自分で自分を信用できないから、人も信用できないようになっているのです。自分を呪うより他に仕方がないのです。」

「そう難しく考えれば、誰だって確かなものはないでしょう。」

「いや、考えたのではなく、実際にやったのです。やった後で驚き、非常に怖くなったのです。」

私はもう少し先まで同じ道を進みたかった。その時、襖の陰で「あなた、あなた」と奥さんの声が二度聞こえた。先生は二度目に「何だい」と言った。奥さんは「ちょっと」と先生を次の間へ呼んだ。二人の間にどんな用事があったのか、私にはわからなかった。それを想像する余裕もなく、先生はすぐに座敷に戻ってきた。

「とにかく、あまり私を信用してはいけませんよ。後で後悔することになりますから。そして、自分が欺かれたことに対して、残酷な復讐をするようになるものですから。」

「それはどういう意味ですか?」

かつて、ある人の膝の前に跪いていた記憶が、今ではその人の頭の上に足を載せようとする。私は、未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を拒みたいと思っていた。今よりも一層孤独な未来の自分を我慢する代わりに、孤独な今の自分を耐え忍びたいのだ。自由と独立、そして自己に満ちた現代に生まれた私たちは、その犠牲として、この孤独を味わわなければならないのだろう。

私は、こうした覚悟を持つ先生に対して、何を言えばいいのかわからなかった。

その後、私は奥さんの顔を見るたびに気になった。先生は奥さんに対しても、いつもこうした態度を示しているのだろうか。もしそうだとしたら、奥さんはそれで満足しているのだろうか。

奥さんの様子は、満足とも不満足とも判断できなかった。私はそれほど近くで奥さんと接する機会がなかったからだ。それに、奥さんは私に会うたびに普通の態度で接してくれた。結局、先生がいる席でなければ、私と奥さんは滅多に顔を合わせることがなかった。

私の疑念はさらに深まった。先生の人間に対するこの覚悟は、どこから来るのだろうか。冷たい眼で自分を内省したり、現代を観察した結果なのだろうか。先生はじっくり考えるタイプの人だった。先生の頭の中にあれば、こうした態度は自然に出てくるものなのだろうか。私にはそうは思えなかった。先生の覚悟は、生きた覚悟のように感じられた。火に焼かれて冷却された石造りの家の輪郭とは違っていた。私の目に映る先生は確かに思想家だった。しかし、その思想家がまとめ上げた主義の裏には、強い事実が織り込まれているように思えた。それは、自分とは切り離された他人の事実ではなく、自分自身が痛切に体験した事実、血が熱くなったり脈が止まったりするほどの事実が、畳み込まれているようだった。

これは私の胸の中で推測するものではなかった。先生自身がすでにそうだと告白していた。ただ、その告白は雲の峰のようで、私の頭の上に正体の知れない恐ろしいものを覆い被せた。そして、なぜそれが恐ろしいのか、私にもわからなかった。告白はぼんやりとしていたが、明らかに私の神経を震わせた。

私は、先生のこの人生観の基点に、ある強烈な恋愛事件を仮定してみた。(もちろん、先生と奥さんの間に起こったことだ。)先生がかつて「恋は罪悪だ」と言ったことを思い出すと、それが手掛かりになるかもしれない。しかし、先生は実際に奥さんを愛していると私に告げた。そうすると、二人の恋からこんな厭世的な覚悟が生まれるはずがなかった。「かつてその人の前に跪いたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとする」という先生の言葉は、現代一般の誰にでも当てはまるもので、先生と奥さんの間には当てはまらないように思えた。

雑司ヶ谷にある、誰だか分からない人の墓――これも私の記憶に時々浮かんできた。私はそれが先生と深い縁のある墓だと知っていた。先生の生活に近づきつつある私だが、近づくことができない私は、先生の頭の中にある生命の断片として、その墓を私の頭の中にも受け入れた。しかし、私にとってその墓は全く死んだものであった。二人の間にある生命の扉を開ける鍵にはならなかった。むしろ、二人の間に立って、自由の往来を妨げる魔物のように感じられた。

そうこうしているうちに、私はまた奥さんと向かい合って話をしなければならない時が来た。その頃は、日が短くなっていくせわしない秋で、誰もが肌寒さに注意を惹かれる季節だった。先生の近くで盗難事件が三、四日続けて発生した。盗難はどれも宵の口に起こり、大したものを持って行かれた家はほとんどなかったが、侵入された家では必ず何かが取られていた。奥さんは気味が悪くなった。そんな中、先生がある晩、家を空けなければならない事情ができた。先生と同郷の友人が地方の病院から上京してきたため、先生は外でその友人に食事を提供しなければならなかった。先生はその理由を話し、私に帰ってくるまでの留守番を頼んだ。私はすぐに引き受けた。